11/23 今週の見通し(日経朝刊より抜粋)
今週(25―28日)の株式相場は日経平均株価が8000円を挟んでもみ合う展開か。先週末の米国株が急反発したほか、公的年金の買いを予想する声も多く、下値不安はひとまず和らいでいる。だが、景気悪化に加え、米大手銀シティグループの再建策への懸念も強まっており、積極的に上値を追う展開にはなりにくいとみられる。
先週は日経平均が週間で551円(6.5%)下落した。景気後退懸念から大型株を中心に売りが優勢となった。21日の取引時間中には7406円まで下落し、10月27日のバブル後安値(7162円)に近付く場面もあった。
21日には米国株が急反発し、シカゴ市場の日経平均先物12月物は清算値が7930円に上昇した。24日は東京市場が休場だが、米株式相場が大きく動かなければ、翌25日は8000円近辺を意識して取引されそうだ。
市場関係者の間では需給環境の変化を指摘する声が増えている。10月の株価急落時と比べ、外国人投資家の換金売りがひとまず収まっている。半面、下値では公的年金とみられる買いが継続。「株価底入れのタイミングを探り始めている」(大和住銀投信投資顧問の門司総一郎チーフストラテジスト)との声もあり、週内にバブル後安値を更新するとの見方は少数だ。
一方、懸念されるのはシティグループの動向だ。経営再建策が評価されず、株価が急落。「身売りなどの抜本的な策がまとまらなければ、再び金融危機の様相が強まる恐れがある」(第一生命経済研究所の嶌峰義清・主席エコノミスト)。米自動車大手3社(ビッグスリー)の経営難も引き続き不安材料だ。
28日には10月の失業率や鉱工業生産指数などの経済指標が発表される。ただ「市場の関心は米国に向かっており、国内指標は大きな材料とはならないだろう」(野村証券の藤田貴一ストラテジスト)との見方が多い。26日に発表される10月の米耐久財受注など海外の指標に相場が左右される場面もありそうだ。
今週の円相場は引き続き円高に振れやすそうだ。世界的な景気減速への懸念が強まっていることに加え、米企業の経営問題など、市場では不安材料がくすぶっている。米株価が下落すれば、円高が進む可能性が高い。市場参加者の円相場の予想範囲は1ドル=90―98円に集中している。
先週の円相場は、週初は96円台で小動きとなる場面が多かったが、米新規失業保険申請件数が悪化して米株価の急落したことを材料に円高が進み、一時は93円台を付けた。
今週はビッグスリーの救済策や米大手銀シティグループの経営問題が注目されそうだ。多くの雇用を抱える自動車産業の救済を巡って米当局の対応が迷走すれば市場への影響は大きいとの見方が多い。株価が下落すれば、投資家のリスク回避姿勢が強まって円は買われやすくなる。
28日には日本で10月の失業率や消費者物価指数などが発表されるが、外為市場への影響は限定的とみる声が多い。米国の感謝祭にあたる27日の前後は市場参加者が少なくなって値動きが荒くなりやすいとの指摘もあった。
今週のニューヨーク株式相場は大手金融機関シティグループの再編の行方を見極めながらの神経質な展開になりそうだ。オバマ次期大統領が財務長官にガイトナー・ニューヨーク連銀総裁を起用する方針を固めたとの報道で先週末の相場は引けにかけて急反発したが、金融業界の経営悪化問題は依然として相場に暗雲を投げかけている。ダウ工業株30種平均は週末の急反発にもかかわらず、先週1週間で5.3%下げた。
ガイトナー氏の財務長官起用は今後の金融市場の先行き不透明感を少しでも払拭(ふっしょく)するという意味で市場関係者には好意的に受け止められたようだ。シティグループが部門売却や身売りなどの具体的な再編案を表明すれば相場にはプラスだが、取締役会での議論が長引けば株価の一段の下落も予想される。
今週は10月の中古住宅販売や個人消費支出といった指標が注目材料だ。さらに感謝祭翌日の28日は年末商戦第一弾の大規模なセールが実施され、同商戦の先行きを占う重要な指標となる。景気の一段の悪化を示すようなら株価の重しになるだろう。
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